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12月15日-04号

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  1. 宮古市議会 1999-12-15
    12月15日-04号


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    平成11年 12月 定例会          平成11年12月宮古市議会定例会会議録第4号第4号平成11年12月15日(水曜日)---------------------------------------議事日程第4号 日程第1 一般質問       18番 城内愛彦君 ・河川環境について……………………………81                 ・防災対策について                 ・市道宮町舘合線の歩道設置について        5番 山口 豊君 ・西暦2000年問題対策について…………85                 ・情報教育について        8番 平沼 健君 ・地方分権の取り組みについて………………91---------------------------------------本日の会議に付した事件 上記日程のとおり出席議員(26名)   1番   千葉胤嗣君           2番   田頭久雄君   3番   三上 敏君           4番   中嶋 榮君   5番   山口 豊君           6番   近江勝定君   7番   沢田 勉君           8番   平沼 健君   9番   蛇口原司君          10番   中野勝安君  11番   佐々木武善君         12番   工藤 勇君  13番   中里栄輝君          14番   竹花邦彦君  16番   松本尚美君          17番   岩間 弘君  18番   城内愛彦君          19番   山野目輝雄君  20番   千束 諭君          21番   永浦奎輔君  22番   野沢三枝子君         23番   田中 尚君  24番   山崎時男君          25番   成ケ沢仁明君  26番   坂下正明君          28番   前川昌登君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のための出席者  市長       熊坂義裕君       助役       小原富彦君  収入役      長門孝則君       総務企画部長   佐々木岩根君  総務課長     鈴木健市君       企画調整課長   白根 進君  生活福祉部長   吉田 武君       地域福祉課長   岡田光彦君  財政課長     西野祐司君       市民生活課長   中洞惣一君  教育長      中屋定基君       教育次長     鼻崎正亀君  産業振興部長   松田辰雄君       商工観光課長   宇都宮 満君  都市整備部長   大利泰宏君       建設課長     三浦 章君  農林課長     刈屋敏彦君       水産課長     中嶋敏孝君  都市計画課長   制野忠彦君       消防防災課長   野澤正樹君  農業委員会           腹子哲男君       監査委員事務局長 飛沢寿男君  事務局長  水道事業所長   浦野光廣君---------------------------------------議会事務局出席者  事務局長     岩田善弘        事務局次長    杉村 憲  速記員      駒井和子 △開議              午後1時00分 開議 ○議長(蛇口原司君) ただいままでの出席は26名でございます。定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。--------------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(蛇口原司君) 日程第1、一般質問を行います。順次質問を許します。 18番、城内愛彦君。             〔18番 城内愛彦君登壇〕(拍手) ◆18番(城内愛彦君) 12月定例会に際し、一般質問の前に、市内の小さな子供さんを持つお母さん方にかわり、一言お礼を申し上げたいと思います。 ことしの夏は記録的な猛暑でありました。その中にあって、就学前の子供さんを持つお母さん方は、なかなか海へも行けず、さりとてプールまでもということで、長町の水道公園へ涼を求めて、毎日、多くの親子で公園がにぎわいました。がしかし、水道公園には真夏の日差しを避ける場所もなく大変とのことでありました。その話をある会合の席で話したところ、翌日より水道事業所のご好意により、テント2張りを出してくださいました。おかげさまで多くのお母さん方より、市役所も「いきな計らいをする」との話をいただきましたので、この場をかりてご報告をいたします。 さて、私は平成11年12月定例会において、質問通告に従い3点について質問をいたします。 質問の第1点目は、河川環境についてであります。中でも、外来魚種の対応にポイントを絞って質問をいたします。 宮古市には、閉伊川・津軽石川・田代川・長沢川・近内川・重茂川・八木沢川と7つの主な河川があります。その中でも、閉伊川・津軽石川は、川魚が豊富に生息しております。春にはやまめ等の渓流釣りが楽しめ、夏にはあゆが、秋から冬にかけては本市の市の魚でもあるさけが遡上してきます。そして、そのさけの卵を採卵し、人工ふ化をさせ、春にはその稚魚を放流する。そんな豊かな恵みをもたらしてくれるこの宮古の河川にも外来魚種が確認をされました。 近年、国内の河川や湖沼で大問題になっている外来魚の影響については言うまでもありません。県下の河川においても、ブラックバス等の外来魚が多数確認をされていると聞いております。これらの魚は大変どうもうで、在来種の生態系に大きな打撃を与えているとのことであります。残念なことに、閉伊川で個体が確認されたわけでありますが、それがどのような経路で閉伊川へ来たのか、どれぐらいいるのかわからないわけであります。事実は事実と受けとめ、今後の市当局の対応についてお伺いいたします。 質問の第2点目は、当市における防災の中の危険箇所の対策についてであります。中でも、民間の古いブロック塀等の対応について質問をいたします。 1995年1月に発生した阪神・淡路大震災では、 6,000名ものとうとい命が一瞬にして失われた出来事は記憶に新しいところであります。その際に、家屋の倒壊による被害はもとより、ブロック塀直接的被害間接的被害があったと聞いております。直接的被害は、言うまでもなく地震により倒れたブロック塀の下敷きになった方。また間接的被害については、救助に行こうとしても倒れたブロック塀等が道をふさぎ、なかなか現場へたどり着けなかったということであります。結果として、早急な対応ができずに、早ければ助かっただろうと思われる人を助けることができなかったということであります。 当市においては、宮城県沖地震を契機に、ブロック塀等安全対策がなされたとお伺いいたしましたが、あの地震より20年以上たった今、ブロック塀の状況の把握はされているのか、また今後の対策についてお伺いをいたします。 3点目の質問は、市道宮町舘合線( 256号線)についてであります。 昭和59年に宮古バイパスが開通して、ことしで15年になるわけであります。工事が始まったころは私は高校生で、通学時に利用したことを覚えております。当時は、今日のようではなく、バイパスにはまだ活気もなく、会社、事業所、店舗もまばらでありましたが、それが今ではバイパスはもとより、平成4年の小山田トンネルの開通により、人の流れが郊外へと大きく変わりつつあります。宮古の道路事情は、 106号線とJR山田線とパイパスの3本が並行して市内に入ってくるわけであります。その間、 106号線とバイパスを結ぶアクセス道路は、長町の立体交差と市道舘合線舘合踏切と出合橋と八幡踏切の4カ所であります。その中の山口川沿いの市道宮町舘合線に絞って質問いたします。 この場所は、出逢い橋のすぐ盛岡寄りにあって、朝夕は宮町方面へ向かう学生さんや通勤の方々で混雑しております。出逢い橋ができてからは、特に徒歩の方、自転車の方の通行量がふえました。加えて、車両に対して時間帯の通行規制もかかっており、その上、山田線を挟んで 106号側とバイパス側の道幅の広さが違います。ドライバーにとっては、紛らわしい状態にあります。そして、踏切は車が1台通るスペースとなっております。いつか、この場所で大きな事故が起こるのではないかとの心配の声も上がっております。そこで、この市道宮町舘合線に、交通弱者を守るために歩道の設置ができないものかお伺いをいたします。 以上、3点について質問をいたします。当局の誠意ある答弁をお願いし、壇上からの質問は終わらせていただきます。 なお、再質問は自席より行いますので、よろしくお願いを申し上げます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 松田産業振興部長。             〔産業振興部長 松田辰雄君登壇〕 ◎産業振興部長松田辰雄君) 河川環境についてお答えをいたします。 当市の主要河川であります閉伊川水系におきましては、淡水魚族資源の増大と河川環境の維持、保全を図ることを目的に、閉伊川漁業協同組合事業主体となって、毎年、あゆ、やまめ、いわな、うなぎの種苗放流を行うなど増殖事業を推進しており、市はこれを支援しているところでございます。ちなみに、平成10年度の放流実績を見ますと、あゆ、約35万尾、やまめ、約30万尾、いわな、約13万尾、うなぎが 2,000尾となっており、こうした増殖努力と相まって、年々、遊漁者も増加している状況にあります。 ご質問の外来魚種への対応についてでございますが、近年、全国各地の河川、湖沼に、オオクチバスコクチバスを初め、ブルーギルなど魚食性の強い外来魚種が一部の愛好者等により密放流され、大きな問題となっております。本市の閉伊川においても、昨年6月、宮古水産高校魚類生息調査を行った際に、ブラックバス、いわゆる大口バスを捕獲しており、その後、閉伊川漁業協同組合生息確認調査や遊漁者及び組合員からの情報収集を行ってまいりましたが、現在、生息の確認はされていないところであります。 ブラックバス等外来魚種は、魚食性が強いため在来の魚種が減少するなど生態系に重要な影響を及ぼすことから、市といたしましても閉伊川水系水産資源を保護する上で重要な問題と考えているところであります。しかし、オオクチバスについては、県の調査によりますと比較的暖かく、流れが緩やかな水域を好むため、閉伊川水系では繁殖しにくいとされておりますが、なお密放流も懸念されることから、閉伊川漁業協同組合と連携して情報収集に努めるとともに、広報紙等を通じて遊漁者等へのマナー向上を促すなど、啓発活動を推進してまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 佐々木総務企画部長。             〔総務企画部長 佐々木岩根君登壇〕 ◎総務企画部長佐々木岩根君) 私からは、危険箇所の対策、特に民間の古いブロック塀等の対策についてお答えします。 地震発生時には、古いコンクリートブロック塀は、倒壊するおそれがあることから、非常に危険なことはご指摘のとおりであります。昭和53年に発生しました宮城県沖地震の際、仙台市においてはコンクリートブロック塀が倒壊し、避難しようとした市民の方々が下敷きとなり、多くの死傷者が発生しました。倒壊した原因の1つに、古いコンクリートブロック塀には鉄筋が入っていないものが数多くあったと言われております。このことから、国においては昭和53年8月7日付、建設省住宅局建築物防災対策室長名で、コンクリートブロックづくりの塀等の安全対策の推進についての通達が出され、県や市町村はこれを受けて調査を実施し、その指導を行ったところであります。 宮古市においても、関係機関合同で、特に通学路のコンクリートブロック塀を重点的に安全点検を行い、所有者等に15件について口頭指導をしてきたところであります。個人所有コンクリートブロック塀は、個々の責任において管理すべきものでありますが、毎年、関係機関合同で実施しております建築物防災週間におけるパトロールの機会をとらえ、改修などについて再度指導をしてまいりたいと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 大利都市整備部長。             〔都市整備部長 大利泰宏君登壇〕 ◎都市整備部長大利泰宏君) 私からは、市道宮町舘合線の歩道設置についてお答えいたします。 ご質問の路線は、昭和40年に都市計画道路本町八幡前線として都市計画決定がなされ、昭和41年に国道 106号に接続させる延長の都市計画変更を行っております。市道宮町舘合線は、都市計画街路の一部路線として山口川左岸に位置し、国道 106号と県道宮古岩泉線を結ぶ延長 264.7mの路線でございますが、途中にJR山田線舘合踏切があり、この部分が4mと狭隘なことから、車両や歩行者の通行に支障を来している状況となっておりますことは議員ご指摘のとおりでございます。このため、通学、通勤のラッシュ時に、時間帯一方通行、7時から9時まで及び15時から18時までの交通規制が実施されているところでございます。 歩道の設置につきましては、都市計画街路整備事業を導入して整備することになろうかと思いますが、山口川の河川整備計画との整合性を、河川管理者である岩手県と協議する必要があるとともに、舘合踏切にかかるJR協議も伴いますことから、事業の実施にはなお相当な期間を要するものと考えておりますので、ご理解いただきますようお願いいたしまして答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 城内愛彦君。 ◆18番(城内愛彦君) 誠意ある答弁を大変ありがとうございました。 まず、質問の第1点目ですが、本当にこれは残念な結果だったなというふうに思っております。それを踏まえて、今後、定期的に、この閉伊川、宮古市内の河川についてそういう部分を点検すると、そういう方向で考えていただけないかなというふうに思いますし、またもしそういう部分が出た場合、当市として罰則規定などは設ける考えはないのかお伺いをいたします。 ○議長(蛇口原司君) 中嶋水産課長。 ◎水産課長中嶋敏孝君) お答えをいたします。 閉伊川のブラックバスの捕獲状況につきましては、部長の方からもご答弁申し上げましたように、昨年の6月に1尾捕獲されて以来、再三、調査を実施いたしておりますけれども、捕獲の実績はございません。それで、岩手県の内水面漁業委員会の定めがございまして、岩手県内水面漁業調整規則というのがございまして、それで罰則規定をうたってございます。内容を申し上げますと、このブラックバスコクチバスブルーギルを密放流した場合には、6カ月以下の懲役、もしくは10万円以下の罰金に処し、またこれを併科することができるというふうにうたっている規則がございますので、これで十分かなというふうに考えてございます。 ○議長(蛇口原司君) 城内愛彦君。 ◆18番(城内愛彦君) ありがとうございます。 そういう罰則があるということを、多分知らない市民の方、また釣りをされる方もあろうかと思います。釣りをされる方は、釣り具店等のそういう部分で啓蒙活動というのはできるものとは思いますが、まず広く一般の市民の方にもそういう部分があるんだよと。また、観賞用で飼育されている方も中にはおるかと思いますので、そういった方にも、もう飼っているのが大変になったから、ではしようがないから川に放すかということで、そういう部分があるのかなという部分も考えられますので、ぜひそういった部分も市の広報等も通じてうたっていただければなと思います。 2点目について質問します。 ブロック塀です。ブロック塀、15カ所もあるということで、大変かなというふうに思います。もちろん当局の方では、そういうことで呼びかけもしてくださっているということですが、民間のものであるという部分で大変な部分もあろうかと思うんです。他の市、他県の部分でいいますと、そういう指導に伴って、例えば植え込みというんですか、ブロック塀ではなくして新たなものにするときに補助を出す制度も設けているという、他の県ですけれども、そういう部分もあるというふうに聞いていますので、ぜひそういう部分も検討されて、今後前向きに考えてもらえないかなというふうに思います。 防災は予防だというふうに思います。いつ地震がくるかわからないわけでありますので、こないうちにやっておけば、やっておいてよかったなというのが防災かなというふうに思いますので、ぜひその部分は検討をお願いします。 あと、3点目です。舘合の踏切。 これは出逢い橋ができて以来、高校生の皆さんや通勤の方々が、その橋の坂の上り下りを敬遠して、多分、平らな部分を通るようになったから通行がふえたのかなというふうにも思っております。そういう部分でいいますと、現在の部分で応急という言葉が当てはまるのかどうかわかりませんが、道路の分のほかに、河川の側に張り出し的なそういう歩道というのは設けられないものか、お伺いいたします。 ○議長(蛇口原司君) 三浦建設課長。 ◎建設課長(三浦章君) 結論でいけば、設けられないことはないと思います。ただ、実際に先ほども答弁いたしましたように、接するところが県管理の河川でございます。そして、やはり増水、災害のやはり状況に対応するという面がございます。そういうときに、そういう張り出しの部分で、当然張り出しということは支柱が必要になります。その辺が、やはりまた問題になるのかなというところがございます。したがいまして、そういう災害的には、やはり管理者と協議した場合に、ちょっとそれは難しい部分があるという部分が出てくるかと思います。
    ○議長(蛇口原司君) 城内愛彦君。 ◆18番(城内愛彦君) 今の答弁だと、先ほどの最初のお答えの方なんですけれども、大分時間がかかるということですよね。簡易的なものというのも大変な状況にある。では、あのまましばらくはほうっておくというふうに理解をしていいわけですか、その辺を質問します。 ○議長(蛇口原司君) 大利都市整備部長。 ◎都市整備部長大利泰宏君) ご指摘のように、そのままほっといていいのかということでございますが、いいとは思いません。ただ、あそこの部分、特にJR山田線、それから三陸縦貫鉄道の方のけたが、両方とも堤防側といいますか、市道側にかなり食い込むような形で入っております。したがいまして、張り出し歩道にしろ、結局、十分な効果がないという状況にございます。あれらを本当に改良するということになると、やはりいま言ったように時間がかかるということでございます。 もう1つ考えられるのは、あとは利用の仕方というふうなことでございます。具体的には、今の規制をより一歩進めるというふうなやり方、あるいは自主規制といいますか、それぞれの皆さんができるだけあそこを通らないように尊重していただくと。非常に難しい話ですけれども、そういうふうな利用の仕方でカバーすることは、歩行者の安全確保についてカバーすることは不可能ではないと思います。それには、利用者、そしてあの地域、沿線の方の同意といいますか、ご理解が必要ということになります。その分野について、必要であれば今後進めていく必要があるかなというふうに考えております。 ○議長(蛇口原司君) 城内愛彦君。 ◆18番(城内愛彦君) わかりました。なるべく早くあの部分を、事故が起きないうちに、先ほどの防災という部分にもつながるかと思いますので、ぜひ早目に対処をお願いして、私の質問を終わります。 ○議長(蛇口原司君) 次に、5番、山口豊君に質問を許します。             〔5番 山口 豊君登壇〕(拍手) ◆5番(山口豊君) 私は、平成11年12月定例議会において、質問通告に従い順次質問をさせていただきます。 最初に、コンピューターが西暦2000年に誤作動を起こし、各方面に影響を及ぼす可能性があるという、いわゆる2000年問題についてご質問をいたします。 この西暦2000年問題は、初期のコンピューターの記憶装置の容量が小さいか、あるいはメモリーの容量を少なくするために、西暦のデータ、下2けた対応が限界だったため、西暦2000年に「00」となった際、コンピューターが正しく認識・処理できずに、西暦2000年を西暦1900年と判断して、いろいろなトラブルが発生すると言われております。 実際、既に各方面に被害が発生しております。 例えば、銀行の定期預金通帳の満期日が誤って記載されたという事例が発生しております。この事例は、ある銀行で、ことし申し込まれました1年満期定期預金の満期日の年が、通帳には平成33年と記載されました。この銀行では、記載満期日に和暦を使用しており、コンピューターが満期が来る2000年を1900年と判断し、和暦では1900年を明治33年と判断したために、通帳には平成33年と表示されました。このようなミスが銀行や損害保険会社などの報告では、ことし1月から3月にかけての3カ月間に52件も発生したということでございます。 この事例は、直接人命等にかかわるものではございませんが、ある工場ではコンピューター制御の自動ドアが故障して、死傷者が発生したという事例も報告されております。 また、最近では、衛星利用測位システムを使ったナビゲーション装置の一部が機能停止をして、そのメーカーに問い合わせが殺到したということは、皆さんご承知のことと思います。このことは、西暦2000年問題が大規模に発生する可能性がますます高くなったことを実証したと言わざるを得ません。 このように、西暦2000年問題は単なるコンピューターの問題にとどまらず、金融、エネルギー、情報通信、交通、医療などに影響が出る大きな社会的な問題になる可能性が大きいのはご理解いただけると思います。 危機管理が進んでおりますアメリカでは、政府による危機管理対策として、企業の対策やリスク管理を促進し、また訴訟パニックを回避するため、情報公開の促進、賠償限度額の設定など法整備しております。また、地域社会では、全米各地で西暦2000年問題対話集会、いわゆるタウンミーティングを開催して、自治体、住民、地元企業等による協力体制の構築と市民参加の促進を図り、電気、ガス、水道といった地域のライフライン確保に向けた努力をしております。また、アメリカの赤十字では、市民に1週間分の食糧、水、医薬品等の備蓄、また車のガソリンは年内に満タンにすること、寒い時期であることから余分の毛布、コート、帽子等を準備することなど、細かいチェックリストを市民に作成して公開しております。 日本政府でも、昨年9月に内閣総理大臣を本部長とする高度情報通信社会推進本部において行動計画を決定し、顧問会議対策推進会議を設けました。また、ことしの4月には、自治省から「地方公共団体のための危機管理計画策定の手引き」が各地方公共団体に配布されました。その中で、行政の保有するコンピューターの行政における問題だけではなく、社会インフラの混乱など、地域の住民や企業に起こり得るさまざまな地域における問題についても、住民の生活を守るべき地方公共団体として危機管理計画をつくるよう求めております。 しかし、この西暦2000年問題の対応状況は、コンピューターシステムの修正作業や模擬テストなど、ある程度の進捗は見せておりますが、万一、問題が発生した場合の対策や復旧作業を行うに当たっての危機管理計画の策定については対応がおくれていると言われております。 岩手県では、既に対策本部を設置しました。JR東日本では、2000年、午前0時の5分前までに、すべての列車、電車を停車させ、安全確認をした後、再運転するという対策を打ち出していると聞いております。 そこで、6点ほどお伺いいたします。 初めに、現在、西暦2000年問題の担当部署はどこでしょうか。また、対策本部は設置したのかどうか。 2点目といたしまして、本件についての危機管理計画書の作成状況はどのように進んできたのでしょうか。 3点目として、宮古市が保有するコンピューターの修正作業、模擬テストなどの実施状況はどのようになっておりますでしょうか。 4点目として、金融、エネルギー、情報通信、交通、医療といった重要5分野の対応状況の把握はどのようになされておりますでしょうか。また、重要5分野に不都合が生じた際の危機管理計画はどのように立てておられるんでしょうか。 5点目、市民への広報計画はどのようになされておりますでしょうか。 6点目といたしまして、対応がおくれていると言われております中小企業の実態について、どのように把握しておりますでしょうか。また、指導、支援をどのように行うのか。 以上、西暦2000年問題についてお伺いいたします。 次に、情報教育について質問いたします。 現在の社会は、西暦2000年問題が問われておりますように、コンピューターやインターネットがいろいろなあらゆる方面に普及している高度情報化社会でございます。また、あと1年弱で21世紀を迎えるわけですが、21世紀は高度情報化がますます進んでいくと言われ、そして情報技術こそ日本経済の生産性を向上させるかぎであるとも言われております。その21世紀の高度情報化社会を担うのは、今の小学校、中学校の限りない可能性を秘めた子供たちでございます。 平成14年度から新しい学習指導要領が施行されますが、その中で各教科等の指導に当たっては、コンピューター情報通信ネットワークなどの情報手段を活用することが盛られております。 また、平成10年12月に発足した内閣総理大臣直轄の教育の情報化プロジェクトにおいては、その趣旨に「高度情報化に対応した人材を若いうちから育成するため、学校を中心とした教育の情報化を推進する必要がある。そのため、全国の小・中学校等におけるコンピューターの整備充実、インターネットの活用、情報化に精通した人材の活用等を推進する」とあります。このプロジェクトのメンバーは、文部省の生涯学習局長をリーダーにしまして、内閣官房長官、通産省、郵政省、自治省の各課長等で構成され、省庁の枠を超えた取り組みとなっております。そして、発足以来、教育委員会や学校の現場、企業からのヒアリングを行い、検討を進め、ことしの7月26日に総理大臣に報告を行いました。 その報告の概要は、小学校ではすべての子供たちが、コンピューター、インターネット等をごく身近な道具としてなれ親しみ、何の抵抗もなく自由に使いこなせるようにする。中学校では、すべての子供たちがコンピューター等を主体的に学び、他者とのコミュニケーションを行う道具として積極的に活用できるようにする。そして、その具体的な取り組みは、ハード面においては全国の学校すべての教室にコンピューターを整備し、すべての教室からインターネットにアクセスできるような環境づくりを推進する。そして、すべての学校においてインターネット接続の高速化を図る。ソフト面においては、すべての教員がコンピューターを活用して指導できる体制をつくり、地域や民間企業の協力を得て、学校で教員以外の多数の人材を活用し、学校の情報をサポートする。関係省庁、民間が連携して、質の高い教育用コンテンツの開発や、それらの提供を推進する事業を実施する。また、教育情報ナショナルセンターを整備すると、以上のように報告されました。 そこで、具体的に3点お伺いいたします。 現在の宮古市の小・中学校におけるコンピューター、インターネットの配備状況をお伺いいたします。 2点目といたしまして、現在、コンピューター、インターネットが、どのような教科、学習内容に利用されているのか、具体的な利用状況をお伺いいたします。 3点目といたしまして、平成14年度から新学習指導要領が施行されますが、宮古市としてこれからの情報教育にどのように取り組んでいくのか。 以上、情報教育についてご答弁をお願いします。 なお、再質問は自席より行わせていただきます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 佐々木総務企画部長。             〔総務企画部長 佐々木岩根君登壇〕 ◎総務企画部長佐々木岩根君) 西暦2000年問題対策についてお答えいたします。 コンピューター西暦2000年問題とは、ご案内のとおりコンピューターが西暦2000年と1900年を取り違えることで、誤作動する可能性があるという問題です。この問題には、地方公共団体が保有するコンピューターシステムの問題が原因となる場合と、地方公共団体以外が保有するコンピューターシステムの問題が原因となる場合の2つが考えられます。これにより、住民の生活に支障が生ずることがないよう、各自治体で対策本部を設置し、模擬訓練を実施するなど、問題発生が懸念される年末年始に対応を進めております。 さて、ご質問の当市における西暦2000年問題対策の担当部署及び対策本部の設置につきましては、総務企画部、事務局を企画調整課情報システム推進室を担当とした、全庁的な対策本部を平成11年4月1日に設置したところでございます。 また、危機管理計画書の作成状況につきましては、平成11年7月に2000年問題に対する危機管理計画書を策定し、この計画に基づき市の保有するコンピューターシステムの2000年問題対策を進めてきたところでございます。 コンピューターの修正状況及び模擬テストの実施状況につきましては、市及び広域行政組合で運用している17台のコンピューターシステムについて、納入業者によるプログラム確認、修正及び模擬テストを10月末までに完了しており、現在のところ問題が発生するシステムはないものと確認しております。 金融、エネルギー、情報通信、交通、医療など、住民に重大な影響を及ぼす分野の対応状況については、国においてほぼ対応が完了しており、大きな混乱が生ずるおそれはないものと考えられます。 市民に対する広報計画につきましては、12月15日号、本日号でございますが、広報宮古に掲載するとともに、市役所内に2000年問題相談窓口を設置し、住民の相談に対応いたします。 市内企業の2000年対策の状況につきましては、保有のコンピューターシステムの修正は完了しているものと理解しており、今後とも関係団体等と連携し、情報の収集に努めます。 このように、コンピューター西暦2000年問題による混乱が起こる可能性はないと考えられますが、10月29日には政府の高度情報通信社会推進本部から、コンピューター2000年問題に備えるため、年末年始の心構えや準備についての留意点が発表になり、水道、電力、ガスなどのライフラインに影響はないとしながらも、二、三日の食糧、飲料水等の備蓄を進めるなど、予期せぬトラブルが起きる可能性を否定しない内容になっております。 かつてのオイルショックのときのパニックともいえる反応が起きないように、住民の一人一人が正しい情報を持ち、備えあれば憂いなしの心構えで、年末年始を迎えるようにしたいものと考えております。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 中屋教育長。             〔教育長 中屋定基君登壇〕 ◎教育長(中屋定基君) 情報教育についてお答えします。 文部省では、情報教育の一層の推進を図るために、平成6年度から平成11年度までの計画で、小学校には2人に1台、中学校には1人に1台を目標に、教育用コンピューター整備を進めております。 宮古市におけるコンピューター、インターネットの整備状況につきましては、平成11年9月現在で申し上げますと、小学校ではウインドウズ95対応が各校約2台で、合わせて39台が整備されています。中学校では、ウインドウズ98対応が74台、ウインドウズ95対応が17台、MS-DOS対応が 155台、合わせて 246台が整備されています。小・中学校ともに、文部省の示す整備目標には達していませんが、中学校では5校が1人に1台、6校が2人に1台という整備状況であります。また、インターネットの整備は、すべての中学校で完了しております。 次に、現在、コンピューター、インターネットがどのような教科、授業内容でどのように利用されているかという具体的利用状況につきましてお答えします。小学校では、複式学級等において、教師が一方の学年を指導しているとき、他の学年の児童はコンピューターの練習、演習ソフトを活用しながら学習しております。それ以外の小学校では、パソコンクラブの操作練習や算数の図形操作の場面等で活用しております。中学校では、技術家庭科を中心に積極的に活用しています。具体的に申し上げますと、理科では沸点の測定等の実験に、音楽では作曲に、美術ではアニメの動画作成にと、多様に、そして有効に活用しています。さらに、インターネットは、複数の教科や特別活動で、環境問題や時事問題等の情報をリアルタイムに収集し、取り入れた情報を授業に活用しております。また、ホームページを開いたり、外国の子供たちとメール交換するなど、情報の受信、発信をしている学校もあります。結果として、授業における生徒一人一人の活動に広がりや深まりが得られています。 平成12年度から実施が予定されています総合的な学習の時間の学習活動を豊かにするためにも、情報教育の必要性については十分に認識しているところであります。今後も、ハード面では文部省の整備基準を目標に順次整備してまいります。また、ソフト面では、基本操作、ワープロ機能の活用や表作成、さらにはインターネットを通じての情報収集及び活用を内容とした、教育委員会主催の研修会を企画して、小・中学校の発達段階に応じた系統的な指導ができるように、コンピューター教育の推進を図ってまいります。 以上、答弁とします。 ○議長(蛇口原司君) 山口豊君。 ◆5番(山口豊君) ただいま2000年問題及び情報教育の取り組みの現状につきまして、それぞれご答弁をいただきました。特にも、市民が日々、不安を募らせております2000年問題につきましては、住民の生活に支障が生ずることのないよう、当市におきましてことしの7月から対策本部を設置し、同時に危機管理計画書を策定して取り組んできたというご報告を受けまして、大変安心しているところでございます。 そこで、何点かお伺いするわけでございますが、ご承知のとおりこの2000年問題は、だれもが経験したことのないことでございまして、その意味ではまさに未知との遭遇でございます。言われておりますとおり、何がどれだけの規模で起きるのか、何も起きないのか、確実に予想することはだれにもできないとのことでございます。結果として、何も起きなかったことを起きるかのように市民をあおり、パニック状態にさせることは厳に慎まなければならないと思いますし、同時に一方で、予期せぬトラブルが発生したときを想定しますと、これまた黙って見過ごすことも問題があると、そういった微妙な問題をはらんでいるわけでございます。その点につきましては、大変神経を使って、市民の方々への広報での周知であったろうと思いますが、先ほどの答弁で本日発行の広報宮古に掲載したとのことでございますが、まだ見ておりませんのでどのような視点での掲載内容であったかお伺いしたいと思います。 ○議長(蛇口原司君) 佐々木総務企画部長。 ◎総務企画部長佐々木岩根君) お答えいたします。 きょう付の広報でございますので、17、18日には各家庭に配付されると思いますが。「西暦2000年間近」というタイトルで、この機会に我が家の防災体制を見直してみませんかという問いかけで、先ほど壇上からもご答弁申し上げましたとおり、主なチェックポイントとして、二、三日分の食糧とか水の備蓄、あるいは懐中電灯、ラジオ等の準備、あるいは預貯金などの記帳も進めておいたらいかがでしょうかということ、そして市役所の総務課の中に本部を設置しましたよと、こういう内容。 それから、もう1点は、医療用具をお使いになっている方がおられるわけでございます。例えば、人工呼吸機、酸素供給装置など、使っている方もあるわけでございますので、こういう方につきましては早目に主治医の方に相談をしてはいかがでしょうかと、こういうような呼びかけをした広報を出しているところでございます。 ○議長(蛇口原司君) 山口豊君。 ◆5番(山口豊君) 先ほども申し上げましたとおり、本当に万が一、起きるかどうなのかもだれもわかりません。そういった意味では配慮した広報ではなかったかなと、私も賛意を表します。 次に、答弁で触れていますが、2000年問題相談窓口を設定しましたと。住民の相談に対応していくとのことでございますが、問題の1999年から2000年に切りかわる時間帯を中心にいたしまして、年末年始の期間も、この相談窓口に職員の方が常駐するのかどうなのか、その辺をお伺いいたします。 ○議長(蛇口原司君) 佐々木総務企画部長。 ◎総務企画部長佐々木岩根君) 年末から年始にかけては、職員、それからメーカーの業者の職員も常時待機すると、こういう計画でございます。 ○議長(蛇口原司君) 山口豊君。 ◆5番(山口豊君) 大変ご苦労さんでございます。 3点目として、万一に予期しないトラブルが発生した場合ですが、そういうことが起きて多くの市民生活にもしも影響を及ぼすような事態が発生した場合の対応について。防災無線、あるいは広報車を走らせるなど、トラブルの状況報告、あるいは対処方針、そういったものについて市民に広報していく、知らせていく体制を準備しているのかどうか、お伺いします。 ○議長(蛇口原司君) 佐々木総務企画部長。 ◎総務企画部長佐々木岩根君) お答えいたします。 基本的には、災害対策本部に準じて行動を起こしてまいりたいと、こう思っています。例えば、今ご指摘のとおり、いち早く行政無線等を使用して周知、あるいは現地確認の車を配車すると。あるいは、それに対応すべく各課の動員、年末年始だろうと、そういうような体制はとってまいりたいと考えております。 ○議長(蛇口原司君) 山口豊君。 ◆5番(山口豊君) わかりました。いずれ、私たちの身の回りでは、まさかこんなことがということがしばしば起きております。東海村での臨界事故は、まさにその一例だと思っています。現在、私たちはコンピューター社会の中で日々生活をしております。コンピューターを初めマイクロチップは、この地上で 500億個以上使用されていると言われております。ですから、金融、医療といった重要5分野にとどまらず、どんどんどんどん私たちの家庭の中に入ってきているわけでございます。何が起きるのか、何も起きないのか、結局はだれにもわからないということでございます。何も起こらなくて、記念すべき年の幕あけを迎えるよう願いまして、この2000年問題の質問は終わらせていただきます。 次に、情報教育についてでございます。 コンピューター、インターネットの配備状況、これらを利用することによりまして、授業における生徒一人一人の活動に広がりや深まりが得られているとのご報告でございました。答弁の中では、インターネットを利用しての、いわゆる他校との交信の報告がなかったわけですが、学校同士での交信は行っているのか、行っていないのかお伺いします。 ○議長(蛇口原司君) 中屋教育長。 ◎教育長(中屋定基君) 多分、市内の中学校同士の交流について聞いているんだと思いますが、その部分についてはやっておりません。ただ、国内とか、それから海外との、いわゆる交流はした例が報告されております。 ○議長(蛇口原司君) 山口豊君。 ◆5番(山口豊君) 離れた学校同士の交流となれば、学校間の、これまでは交通機関を利用して、経費も時間もかかるわけでございますけれども、ぜひインターネットは意思の疎通ができるというシステムですので、その面での利活用を今後していくべきではないかなと思っております。 次に、コンピューターの世界は、ご存じのとおり日進月歩の最たるものでございます。その点で、一番苦労するのは子供たちの指導に当たります教員の方々ではないかなと、そう思っております。演壇でも申し上げましたとおり、すべての教員がコンピューターを活用して指導できる体制づくりをするという方針でございますが、そのための教員の方々の知識の習得といいますか、スキルアップはどのような体制で行われているのかお伺いいたします。 ○議長(蛇口原司君) 中屋教育長。 ◎教育長(中屋定基君) 宮古市教育委員会主催の研修会、これは今、年に3回ほど持っております。そのほかに総合教育センター、これは県立総合教育センターでの研修とか、そういうものには希望者、それから割り当てもありますけれども、研修に行っておるということでございます。 ○議長(蛇口原司君) 山口豊君。 ◆5番(山口豊君) いずれ、若い人はぽんぽん入っていきますけれども、私みたいな年寄りの先生はいないでしょうが。いずれ、年々、コンピューターの関係というのは、年を経るとともに取っつきにくいといいますか、なれにくいといいますか、非常に負担が大きくなるんだろうと。そういった意味でも、精神的な大きな負担というのを教諭の方々は味わうんじゃないかなと、そう言われております。 最後に、1点申し上げて終わりたいと思いますが、これからはまさに1人に1台というふうに、パソコンが学校に導入されてくるでしょう。そしてまた家庭の中にまで、どんどんどんどんパソコンが入っていく時代だと思っています。確かに、リアルタイムで情報を取り出したり、さまざまな利活用がある反面、パソコンの画面をまばたきもしないで長時間にわたって見詰めていますと、それが原因でドライアイという病的な症状にもなったりもします。また、余り、ちょっと表現があれですが、はまり過ぎてといいますか、パソコンと自室にこもりきりになって、そういう家庭の中で何となく人との交流がだんだんおっくうになってきたという事例も報告されております。これらは本当、一例であると思います。まだまだ見えない弊害というのは、この社会にはあるものと予測されます。日の当たる部分の反面、多くの日陰の部分も存在すると言われているわけでございまして、どうかその陰の部分というものを取り除きながら取り組んでいくことと、メンタルヘルス面での十分な配慮をしながら、子供たちを指導していかれることをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。 ○議長(蛇口原司君) 次に、8番、平沼健君に質問を許します。             〔8番 平沼 健君登壇〕(拍手) ◆8番(平沼健君) 通告に従いまして、地方分権の取り組みについて質問させていただきます。 地方分権は、ただ単に行政事務の合理化や国家公務員と地方公務員の仕事の区分をどうするか、あるいは官僚制の枠組みをどうするかを目指すものではなく、民主主義の基本とも言うべき地方自治、すなわち地方の自己統治の確立こそが目標であり、地域社会の住民による政治行政を形成してこそ地域は活力を持ち、地域社会全体も活性化することを希求する上でのシステムであることを、改めて認識せねばなりません。 しかしながら、明治政府以来、脈々と続いてきた中央集権的な行政機構が、戦後においても依然として維持され、新憲法において第92条により地方自治の必要性がうたわれてはおりますが、行政の実態は変わることなく、戦後50年以上も続けられてきたことに思いをはせるとき、いかに明治以降の行政体制が強固なものであったか、長い中央集権の歴史の実態を覆すことが困難なことであるかを、改めて実感せざるを得ないのも事実であります。 しかし、中央集権体制が制度上示すものは機関委任事務であり、中央から地方への補助金という財政的な仕組みであります。ところが、市民によって直接選ばれた地方自治体の首長を中央政府の一機関として取り扱うことは、民主主義社会においてあり得ないことであるにもかかわらず、今日においてなお当然のごとく、国民の意識においてすら分け与える、与えられるという制度の存在を容認する向きがあり、このことはとりもなおさず地方自治体が常に受け身であり続け、またそのことを甘受してきた、してこざるを得なかったことにほかならないのであります。 今こそ自治体の側から権限の移譲を進めなければならず、言いかえれば地方主権の確立であり、地方分権になって何が変わるのかではなく、何を変えるのかを市民の立場で積極的に検討し得る体制づくりを急ぐべきであります。分権社会では、行政だけでなく、住民の果たすべき役割がこれまで以上に求められ、まして今後の高齢社会を支えるには役所だけでは限界があり、NPOの活動はより重要性を増すことになります。 宮古市も、より積極的に住民自治を育てる姿勢の1つとして市民交流プラザを設置し、市民の市政参加が容易になりました。このことからも、これからのまちづくり構想は、横並び、統一的な発想でなく、地域の特徴、特色を生かした自主、自立の取り組みが必要であります。今後、さらにいかなる施策で地方分権につなげていこうとしているのか、まずもってお伺いをいたします。 また、地方自治法が改正され、平成12年4月より施行されるに当たり、分権論議が市民レベルにおいてなぜ高まりを見出し得ないのか。あるいは、地方自治体がややもすると消極的であると言われるのは何に起因するのか、ご所見を賜りたいと思います。 地方自治体は、企業で言うならば地方独占型であり、住民が引っ越しでもしない限りそれを選べず、運営に競争原理が働かず、なおかつ改革は自治体内部に痛みを伴うことから遅々として進みません。しかし、行政の守備範囲を見直しし、民間の方が効率のよいものは民間委託を進めるといった大胆な行動を起こし、住民が最も欲する行政にアクセントをつけ、政策の選択をなし、優先度の落ちるものは思い切って切るなどの手法を用い、活力あるまちづくりに向けての方向性を見出さねばと思料するものでありますが、いかがでしょうか。 さらには、自主、自立の精神を基盤とする分権型社会の運営において、そのかぎを握るのは地域の人材、とりわけ自治体職員の資質、能力であることは言うまでもなく、課題を見出す力、解決策を立案する力、そして実現する力、いわば政策能力の向上であります。本年3月議会の市長答弁で、庁内政策形成体制の確立について、種々、見解が示されましたが、労働時間の短縮が趨勢の今日において、時間内の生産性をいかに高めるかなど……。細分化した事務分掌の中で、日常業務の処理に追われている職員にとって、なかなか難しいこととはいえ、あすの地方自治を築いていくためにも避けて通れぬ問題ではあるまいかと主張するものであります。 今後、細々とした関与を国や県から受けないということは、自己判断、自己負担、自己責任という自治の基本原則を現実のものとする決心がなければなりません。私は、第一に必要なことは、行政のあるべき方向性について、市長が繰り返し、繰り返し、直接職員に語りかけ、目的意識をしっかり持ってもらうことが何よりも肝要であると考えます。これから5年、10年と経過すれば、職員の意欲と能力によって、市町村間の施策の形成とその運用に大きな差が生ずると考えられますがいかがでしょうか。 種々申し述べましたが、今後の地方分権運動をいかに進展させていこうとしているのか、ご所見を伺う次第であります。 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。             〔市長 熊坂義裕君登壇〕 ◎市長(熊坂義裕君) ただいまの平沼健議員の地方分権の取り組みについてのご質問にお答えいたします。 地方分権は、明治以来、形成されてきた、国、都道府県、市町村という縦の関係である中央集権型の行政システムを変革し、対等、協力の横の関係とするとともに、地域の行政は地域の住民が自分たちで決定し、その責任も自分たちが負う「自己決定・自己責任」の行政システムを構築することを目標としております。基礎自治体であります私ども市町村においては、こうした地方分権の流れに積極的に対応し、多様化する住民ニーズにこたえながら、個性豊かで活力のある地域社会の実現を図ることが求められております。このためには、市民とともに決定し、ともにつくる市民の行政参加システムの確立が緊急の課題であり、まずもって市民の皆様に現在行われている事務事業や施策につきまして具体的にお知らせすることが必要であり、情報公開を初め各種行政情報の広報、インターネット、ホームページでの情報提供など、市、行政全般にわたって市民の皆さんが理解を得られる環境づくりを一層推進することとしております。 また、市からの情報提供とともに、市民の皆さんが市政に何を望まれているか、市政についてどの程度満足されているかを行政が掌握することもまた重要であり、市政モニター、市政暖話室、おばんです市役所ですなど、広聴活動の一層の充実、事務事業評価システムや市民満足度調査の導入と結果の公表、各種審議会への公募制の導入や、女性、若者の登用などにより、市民の行政に対する意向、提言等の的確な把握に努めてまいります。 ご質問の中にある市民交流プラザについてでありますが、このプラザは市民団体等が自由に活動する場、市民が自発的に情報交換、交流、連携する場として位置づけしており、この施設を利用し、各種市民団体を初めとする市民の各種交流が盛んとなり、そこから政策提案などがなされ、行政参加のきっかけにつながればとの思いで設置したものであります。市民交流活動を推進するため、本年度は市民団体等の皆さんが行政に対しどのような支援を望まれているかなどを把握するため、アンケート調査を実施する予定となっており、来年度以降は市民団体等で構成する連絡調整組織、各団体間のネットワーク化、さらにはシンポジウムなどの啓発運動に積極的に取り組んでまいります。 次に、分権論議が市民レベルで高まらない理由についてでありますが、これまでのところ分権改革が主に国から地方自治体への権限移譲を中心に論議がなされ、地域福祉や住環境など、直接住民生活につながる論議まで至っていないことから、市民の関心が低いと考えられます。また、地方自治体が消極的と言われる理由としましては、制度改革によって具体的にどれほどの裁量権がふえるのか、財源の移譲がどれくらいになるのかが不透明な中で、財源が増加せず仕事や責任のみがふえるのではないかといった不安があることによるものと考えられます。 次に、民間委託についてでありますが、これまで学校や各種施設など、公共施設のごみ収集と資源ごみの収集の一部、総合体育館など、公の施設の管理運営の委託を実施し、福祉分野におきましても、老人日帰り介護事業、訪問入浴サービス事業など、10事業に及ぶ在宅福祉サービス事業を委託しております。今後におきましても、可能なものについては順次民間委託に切りかえ、これらに費やされてきた人的、時間的コスト、財源などを新たな行政需要に振り向けてまいりたいと考えております。 次に、職員の能力開発でありますが、分権改革には自治体の中から発する力の充実、つまり職員の地域政策の形成能力や自己評価能力等の向上が必須条件であり、これまで以上に職員の能力開発を進めていくことが必要であります。本年度策定した第2次行革大綱でも、柱の1つとして職員の能力開発の推進を掲げており、本年度内に庁内に職員能力開発計画策定委員会を設置し、長期的視点に立った職員能力開発計画を策定の上、新たな研修体系を確立し、さまざまな角度から職員の能力開発を進めてまいります。また、職員の能力開発には、業務の遂行に当たり、これまで以上に職員間の切磋琢磨が求められているところであり、私も含めて職員間の論議を活発にしながら、地方分権時代を乗り切る意欲や能力を持った職員形成に努めていきたいと考えております。 最後に、今後、地方分権をいかに進展させるかについてでありますが、地方分権時代に対応するためには、1人、宮古市の問題としてだけではなく、宮古広域全体として考えなければならないものと思っております。現在、介護保険制度を初めとする高齢者対策、観光振興、環境保全などのように、むしろ広域で協力、連携しながら展開した方がより効果的と思われる共通の施策課題がふえてきております。こうした具体的な施策や事業を広域市町村間で連携して推進するため、本年4月に宮古地区広域市町村連携推進会議を設置し、各首長による委員会、助役による幹事会、各施策分野ごとの所管課長による部会により、これまで介護保険の審査会のあり方や、広域観光の進め方などについて具体的な論議を行っております。さらに、宮古広域行政のシステムのあり方や、広域全体が統一的、総合的に推進することが適当な政策課題について、調査、検討、審議する場として、各首長及び各市町村議会議長で構成する宮古広域行政推進協議会を今月、発足させたところであります。今後、国の地方分権推進計画や、来年3月にも岩手県から示される本県の広域行政推進市などについて審議予定でありますが、この協議会は今後、地方分権が進む中、広域として連携した取り組みを進める上で、極めて重要な役割を果たしていくものと考えております。地方分権により、これまでの市町村行政は、大きな変革を迫られるものと考えます。広域的な視点も加味しながら、分権時代にふさわしい個性的で独自性のある地域づくりを目指して、職員ともども努力してまいりますので、ご支援をお願い申し上げます。 以上、答弁といたします。 ○議長(蛇口原司君) 平沼健君。 ◆8番(平沼健君) 若干、再質問させていただきます。 ただいま、市長の答弁がございました。まさしく地方分権というのは、行財政改革、あるいは広域連合、あるいは町村合併といいますか、広域合併といいますか、やっぱりそういうものと並行して進んでいかざるを得ないというか、そういう大きな問題だと思っております。そういうとらえ方をしながら、若干お尋ねしたいんですが。 地方分権というものそもそもが、従来は中央政府が大変大きな力を握っておったということで肥大化をしてきたと。それを、これ以上もう肥大化できないということもあって、中央は中央でいろんな権限とともに仕事を地方に移していくと。これで中央がスリム化をしていくんだということが、1つはあると思います。そういうふうに考えますと、中央から出てきた仕事、当然これは地方自治体がその部分を受け持っていかざるを得ない、そういう場面がたくさん出てくるはずです。仕事量、あるいは事務量がふえるということで、各自治体が今度はそれに見合ったような定員をふやしていくと。こういうようなことがあると、せっかく中央のスリム化が、逆に地方にきて肥大化を起こしていくと、こういうような単純な発想の心配も私はするわけなんです。 そういうことで、この1番から4番までの質問をしたんですが、やっぱりそういうものを避けるためには、今、行政の皆さん方が一生懸命仕事をしております。ただ、今のような状況だと、なかなかこれからの今後の地方分権にはつながっていかないというふうに危惧するわけです。ですから、やはり各自治体の職員の皆さん方は、今の仕事プラス、プラスアルファの、そういう仕事をやっぱり個々にやっていくんだという意識が、これは当然必要かと思っております。そういう中で、1つは行政にも男性職員、女性職員がおるわけです。女性職員の比率がどの程度かわかりませんが、やっぱり上級職で入ってこられた女性の方もおろうかと思います。あるいは、一般職の方もおろうかと思います。この宮古市に限らず、女性職員の登用というのがどうも少ないような感じでおるんですが、その辺はどのように考えればよろしいでしょうか。 ○議長(蛇口原司君) 佐々木総務企画部長。 ◎総務企画部長佐々木岩根君) お答えいたします。 女性職員の行政職の比率でございますが、ご承知のとおり全職員数は 563名ですが、そのうち女性行政職は 144名いるわけです。そのうち、いわゆる役づけ職員が27名で、行政職の比率で見れば18.8%、こういう数字になってございます。 ○議長(蛇口原司君) 平沼健君。 ◆8番(平沼健君) この比率が高いか低いか、これは別にしましても、やはり一般的に感じておるのは、まだまだ女性のそういう登用といいますか、そういうのが少ないんじゃないかなというふうに私は見ております。やっぱり女性には女性の持つ潜在能力といいますか、すばらしい方々もたくさんおると思います。そういうことで、ぜひ今後の地方分権に向けての1つの形として考えていただければと思っております。 それから、もう1つ最後によろしいでしょうか。 この地方分権というと、宮古は宮古、北海道は北海道、九州は九州、いろんな地域、地域の形があって、これはいいと思います。ということは、地域の特徴、特色を生かした分権のスタイルということかと思います。そういうことで考えてみますと、やっぱり今までの地方の自治体というのは、例えばいろんな審議会で職員の、例えば市町村の規模によって何名の定員とかということが出てきました。その定員に比べて、うちは、宮古市はどのぐらい少ない、あるいは何人多いと、こういう形できておったわけですね。だけども、やっぱりこれからはそういうことは1つの参考には、それはしてもいいんでしょうが、やっぱり宮古全体の特徴、特色、やっぱりそういうものをもっともっと踏まえた形での、宮古独自のそういう体制というものは、もっと強く押し出していっていいのではないのかなというふうに考えるんですが、その辺はいかがなものでしょうか。 ○議長(蛇口原司君) 熊坂市長。 ◎市長(熊坂義裕君) 議員のご指摘のとおりだと思います。各自治体ごとに特色のある施策をやっていけるのは地方分権だと思います。今までですとどうしても、国・県からの言いなりという言い方はちょっと語弊があるかもしれませんけれども、あるいは横並びの同じような政策をやってきたわけでございます。しかし、それが必ずしもその地域に合った施策ではないということがたびたびございます。これからは、地方分権が進みますと、当然、地域のいろんな特色に応じた施策をやっていくということは大事になってくるかと思います。それをやるためには、当然、いろんなさまざまな審議会、あるいはさまざまな会を通じまして、市民のご意見を聞いていく、あるいは議会等で活発に論議しながら、我が市の独特の施策を展開していくということが大事になってくるかと思います。しかし、何度も申し上げますように、今の地方分権が進まない一番の原因は、財源がはっきりしていないということでございますから、財源の裏づけがなされない限り、やはり今のようなはっきりしない状況で進まざるを得ないということですから、根本のところを国の方で早く示していただいて、そして地域独自の施策を進めたいというふうに思っております。 そういったいろんな地方分権の論議があるときに、私も今、市長として仕事をさせていただいているというのは、いろんな意味でやりがいも感じますし、また独自の特色ある地域づくりを推進できる、そういう時期でもあると思っておりますので、これからも議員の先生方と一緒にやってまいりたいと思っております。 ◆8番(平沼健君) 終わります。--------------------------------------- △散会 ○議長(蛇口原司君) 以上で本日の日程は終了いたしました。 なお、宮古市議会会議規則第10条第2項の規定により、明16日は休会といたします。 本日はこれをもって散会いたします。             午後2時21分 散会...